高橋美清(びせい)のアナウンサー時代とは?名前や仕事内容と出演番組は?【逆転人生】

話題

NHK「逆転人生」で『ネット中傷・絶望からの‟生還”』として紹介された、天台宗僧侶・高橋美清(たかはしびせい)さんが、実際にネットで受けた誹謗中傷のため仕事も地位も失い、死の淵をさまよった事件が今のネット社会の縮図のようでした。

この記事では、現在は僧侶・高橋美清(たかはしびせい)さんのアナウンサー時代について、活動名や仕事内容そして出演していた番組、現在や今後の活動を詳しくご紹介します!

アナウンサー時代

経歴

「逆転人生」の『ネット中傷・絶望からの生還』として紹介された、元フリーアナウンサー・天台宗僧侶の高橋美清(たかはしびせい)さん。
※ 正式には「髙橋美清」さんです。

女子アナウンサーとしての活躍は、全国的にも有名でした。

高橋美清さんの女子アナウンサー時代の経歴を、具体的にご紹介します。

  • モデルとして活動
  • 群馬テレビの県政番組のリポーターとして活躍
  • 司会業に専念
  • 「おはよう天気」(日本テレビ放送網)のキャスターとして、活動名:北原澪で活躍
  • 前橋競輪場の競輪中継を担当(1989年)、活動名:高橋しげみ
  • 全国各地の競輪TV中継のメインキャスターとして活躍
  • 歌手デビュー(2014年)、活動名:北原朱夏(きたはら・しゅか)

競輪中継という得意分野を見出し、約26年もの間キャリアを積み重ねていました。

的確な実況中継と解説に加え、周囲への配慮などもあり、女性フリーアナウンサーとして新たな道を自分の手で切りひらいた人物です。

その人気は競輪ファンだけではなく、競輪界を中心に広い人脈を持っていた方です。

2014年には北原朱夏という名前で、キングレコードから歌手としてもメジャーデビューを果たしています。

歌手として出された曲は「波に抱かれて C/W待ちぼうけの風景〜冬がれの長い道〜」でした。

高橋美清さんは、フリーアナウンサー時代には『競輪界のアイドル』と呼ばれるほどの人気の高さを誇っていたのです!

きらびやかに見える世界ほど、活躍するのは難しいと思います。

しかも事務所に所属せずフリーという道を選んだ勇気、そして全国の競輪TV中継のメインキャスターを任されるほどの実力と言うのは、高橋美清さんがひとつひとつ積み上げてきた努力の結果だったのです。

2015年

高橋美清(たかはしびせい)さんは、2015年に入りある有名な競輪選手からのストーカー行為を受けるようになります。

執拗なメールや電話に加え、その人物のブログ内で事実と異なる発信までされるようになりました。

報道で明らかにされた内容は、以下になります。

ストーカー事件の被害者になったのは2015年。仕事関係者のAさんから、執拗な電話やメールを受けるようになり、被害届を提出。
Aさんはストーカー規制法違反の疑いで逮捕された(脅迫罪で罰金の略式命令)。

「被害者は群馬県に住む50代の女性アナウンサーで元交際相手」などと報じられたことで、髙橋さんの身元はすぐに特定されてしまった。

髙橋さんによれば、Aさんが逮捕前、
ブログで「髙橋さんからお金を取られた」などの記事を書き連ねていたこともあり、
「悪いのは女のほうだと、私への非難が始まったんです」。

「交際していた、お金を取られたと書かれましたが、内容は事実ではありません」(髙橋さん)。
しかし、どれだけ違うと叫んでも、髙橋さんは「有名人から金を取った元交際相手」に仕立て上げられた。

被害者と加害者の立場は逆転し、ネット上の誹謗中傷が始まった。

ー 弁護士ドットコムニュース ー

この被害者と加害者が入れ替わってしまうという、本末転倒の事態に対して、当時の高橋美清さん(活動名:高橋しげみさん)は毅然とした態度で実名でも報道機関の取材に自ら応じていました。

しかし、顔の見えないネット社会では誰かを標的にして、残酷な言葉をあらゆる場所で攻撃し始めます。

今大きな社会問題となっている、ネットによる個人への誹謗中傷です。

🌟 事件の詳しい真相や経緯については、下記の記事に具体的にまとめてありますのでぜひあわせてご覧ください。

高橋美清のストーカー相手の名前や職業は?事件内容や不慮の事故の真相は?

誹謗中傷と仕事

ネットから実被害まで

「逆転人生」で『ネット中傷・絶望からの生還』を告白した、天台宗僧侶の高橋美清(たかはしびせい)さんを襲った誹謗中傷。

その誹謗中傷の具体的な内容も、明らかにされました。

●まさかの死。待っていたネットの誹謗中傷

襲いかかる攻撃は何倍にもふくれあがることになる。
Aさんが報道からほどなく不慮の事故で亡くなったのだ。
「事件を苦にして自殺か」と書かれたこともあり、これで髙橋さんの扱いは完全に「加害者」になってしまった。

ツイッターなどのSNS、ネット掲示板、まとめサイトには、
髙橋さんの顔写真とともに
「人殺し」「今日は死なないの?」「首吊るの待ってるんだけど」「クソババア」「お金を取って、男を騙した」などの罵詈雑言があふれかえった。

「大量の中傷は何十万件にも感じられました。ネットだけではなく、自宅の電話が鳴らされ、勝手に荷物が送りつけられるなどいやがらせもエスカレートしました」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

この数年でネットによる誹謗中傷の実態も、報道されるようになってきました。

ただ著名人・有名人という場合はニュースになりますし、その具体的な内容も報道されているのはごく一部だと思います。

被害は、一般の人の中にもすでに生じています。

私の身近にも、昨日まで友達や仲間だと思っていたグループやコミュニティからある日突然誹謗中傷を受けたという人物もいます。

私の友人の中には自分の子供が、ネットを使ったやりとりの中で孤立させられて学校へも行くことができなくなった話もあります。

弁護士の友人は、ネットによる誹謗中傷の相談件数が実際に増えてきていることや悪質になっているという話も聴きました(もちろん個人情報にかかわることは一切聴いていません)。

高橋美清さんはさらに、現実社会でも孤立させられていくことになります。

仕事も知人も去っていく現実

一連の誹謗中傷で、本来ストーカー行為による被害者だった高橋美清さんは、法的な理由が全くない感情と主観の塊のためにそれまで築き上げた仕事も失ってしまいました。

仕事だけでではなく、精神的にどんどん追い込まれていったのです。

高橋美清さん自身が語る当時のようすを、ここではご紹介します。

●現実世界で孤立、そして自殺未遂

理不尽な中傷は髙橋さんから仕事まで奪った。

出演番組は降ろされ、新聞の連載も打ち切り。
テレビ局は視聴者からクレームを受けることを嫌ったようだ。
新聞社は「表に出ることは髙橋さんのためにならない」と伝えてきたという。

仲間だと思って信頼していた業界関係者も、髙橋さんからの連絡を無視。
自分のフェイスブックに「人殺し」「この女、金取ったんだろう」と書き込んだ知人もいた。

この年のはじめに最愛の母親を亡くしていたこともあり、世の中に助けてくれる人もいない。

すべてを失った髙橋さんの精神は崩壊した。

「こういうお話をするとね、中傷なんて見なければいいと言われますが、中傷は被害者の目を引きつける魔物です。
どうしても見てしまうんですよ。
死ねという言葉に洗脳されて、そういう気持ちになっちゃう。手首も切りましたし、薬もたくさん飲みました。でも、死に切れなかった」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

コツコツと築き上げてきた仕事を失い、信頼していた仕事関係者や友人までも失い、大切な母も亡くしている状況とは想像を絶するつらさだったと思います。

当然、収入も無くなり生活を維持することすら難しくなってしまったはずです。

明るい未来を願う気持ちなど、どこにも糸口は見つからなかったのではないでしょうか。

生き地獄という言葉が、私の頭をよぎりました。

不特定多数の顔の見えない誹謗中傷という攻撃を受け続け、自ら死を選ぶしか道はないという絶望感にまで追い込まれた高橋美清さん。

再び立ち上がったのは、確固たる強い意志が生まれたからです。

からくも生き延び、戦う決心をした。

このように考えたからだ。

「このまま死んだら、ネットの書き込み通りに、ありもしない罪を死んで認めたことにされる。
1人でも捕まえないと。そのために動かなければ、私の心が本当に壊れる」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

この強い意志力を持ったまでの高橋美清さんの心の葛藤も、どれだけつらいものだったかと心が揺さぶられる思いです。

🌟 事件に関するくわしい情報は下記の記事でご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

高橋美清のストーカー相手の名前や職業は?事件内容や不慮の事故の真相は?

誹謗中傷する人の傲慢

投稿者の特定

「逆転人生」で『ネット中傷・絶望からの生還』を告白した、天台宗僧侶の高橋美清(たかはしびせい)さんが行動して投稿者を特定するまでの経緯も、気が遠くなるような道のりでした。

●「この人だけは許せなかったんです」

髙橋さんが最初に取り掛かったのは、誹謗中傷をした投稿者の特定だ。

個人で情報開示請求をしたが、コンテンツプロバイダーはIPアドレスを開示しなかった。
弁護士を通じた再度の請求も認められなかった。

並行して、警察に被害を訴えたが、ストーカー事件のときのような親切な対応はされなかった。
「有名税だから我慢して」「見なければいい」と非情に追い返された。

「警察が動いてくれるまでに3年かかりました。
被害者の会や、弁護士会の会長さん、警察と縁のある人にお口添えをいただいて、なんとか話を聞いてくれることになったんです。
それで資料を提出したら、『こんなにひどいのか』と驚いていました」

1人の投稿者を名誉毀損罪で刑事告訴した。

「この人だけは許せなかったんです。
初期のころから同じIDで何度も何度もQ&Aサイトに書き込みをして、それが掲示板に転載されて、多くのスレッドが立ち上がる。
『首吊らないのか』と書いて、私の心を壊した相手です」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

この特定した1人は、周囲や常識からすればとてもそんなことはしないであろうという人物でした。

●執念で見つけた投稿者

「ちょうど私が修行で比叡山に入っていたころの2017年5~6月、警察が投稿者の自宅を訪れ、任意で聴取を行いました。

PCに書き込みの履歴があったそうです」。本人は書き込みを認めた。

一流大卒、省庁で働く40歳前後の男性だった。

逮捕後すぐに示談を求めてきたという。

代理人弁護士から送られてきた手紙には、男性の勝手な言い分がそのまま記されていたという。

「髙橋さんを誹謗中傷するのは仕方のないことです。
なぜかというと、ネットでこれだけたくさんの人が書いているからです。
私には悪気がありません。
他の人が書いているのを見て、書いただけだから悪くないんです」

という内容のものが書かれていたと高橋さんは説明する。

あきれて言葉も出ない髙橋さん。

「過去に彼は放火予告で逮捕されたこともありました。
これが再犯です。
示談もありえませんし、ふざけるなと手紙を突き返して、呼び出しました」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

自分は悪くない、という身勝手な言い分です。

個人的な意見になりますが、多くのネット上で誹謗中傷を執拗に行う人物は、同様に自分の感情のはけ口を見つけ書き込みなどによって、相手が傷つくこと・同じような書き込みをしている人と同調することで快感を覚えたりしているようにしか見えません。

真相を明らかにした理由

女子プロレスラー・木村花の死

高橋美清さんは、2020年5月23日にネットの誹謗中傷が原因で自らの命を絶った女子プロレスラー・木村花(きむらはな)さんの事件をきっかけに、ネットの誹謗中傷の実態を多くの人に伝えることにされたそうです。

木村花さんは恋愛リアリティ番組に出演したことをきっかけに、ネットでの誹謗中傷を受け、22歳の若さで自死しました。

番組を制作した会社もTV局も、因果関係を認めず黙殺しようとさえしているように見えます。

木村花さんの母、木村響子さんは今も闘い続けています。

高橋美清さんは、木村花さんについてこのように語っています。

●木村花さんへの思い

今回、取材に応じたのは、ネットの誹謗中傷によって亡くなった木村花さんの悲劇を目の当たりにして、いてもたってもいられなくなったからだ。

「私も彼女と同じでした。経験をお伝えしなければいけないと思ったんです。
誹謗中傷と戦うのは大変です。
『殺すぞ』という書き込みは脅迫だけど、『死んでくれ』というのは脅迫に当たらないから捜査できない。
警察にはそう言われました。
被害者の立場は本当に弱い。
天に唾を吐いたら、自分に返ってくる世の中になってほしい。
一生懸命に弁護士さんが動いてくれなければ、私は救われませんでした」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

いまだに絶えないネット上の誹謗中傷は、スマホやPCを開けばすぐに目に飛び込んできます。

これらの言葉に同調するのは、非常に危険です。

法治国家である日本では、法が罪を裁きます。

個人が勝手な主観で誰かを誹謗中傷し、追い込む権利など持っていないと私は思います。

木村花さんの死は大きな問題であり、そして氷山の一角であるのではないかと思います。

駆け込み寺

高橋美清さんは、現在ネットなどの誹謗中傷による被害者のために活動しているそうです。

高橋美清さん自身のことばが、一番この記事をご覧になっている方に伝わり響くことばと感じますのでご紹介します。

●駆け込み寺を作ることが私の役割

現在、髙橋さんが住む群馬県では、ネットの誹謗中傷による被害者の支援制度創設に向けた条例が制定されようとしている。
国も開示請求などの迅速化を進めるべく、同様に動き出している。

「規制は必要です。インターネットの良いところがなくなってしまうと言っていた人がいましたが、
個人の攻撃の道具にするのはおかしいと思います」

髙橋さんが必死の思いで僧侶になったのは、同じく苦しむ人を助けたいと考えたからだ。

自宅を寺にする準備をしている。

「誹謗中傷を受け入れる駆け込み寺にします。
私は長いこと遠回りして中傷を乗り越えましたが、そんな経験はきっと被害者には役立つと思うんです。
弁護士にお願いするべきとアドバイスしたり、何をすればいいかお伝えできると思います」

ー 弁護士ドットコムニュース ー

ネットによる誹謗中傷で自分の居場所を失ってしまい、どんな方法も見いだせないほどの精神状態になっている方にとって、高橋美清さんの活動は絶望を希望に変えてくれるものになるはずです。

高橋美清さんは、上項で特定した投稿者との対面で相手に伝えた言葉があります。

「私が死んでいたら、あなたは人殺しになった。
人をナイフで刺さなくても、簡単に殺せる。
私はインターネットによって一度殺されて、
生まれ変わるために、髪を剃って僧侶になる覚悟ができた。

比叡山の60日間の修業で体重は14キロ減って、
両足の爪がなくなって、足の骨も折れた。
肋骨にもヒビが入っていた。
あなたの顔を見るまでは死ねないと思って乗り越えられた。
そこはお礼を言いたい」

話し合いの終盤、そう告げて別れた。

ー 弁護士ドットコムニュース ー

高橋美清さんが、2015年をきっかけに自らが被害者であったにもかかわらず、大きな苦難を抱えました。

それを乗り越えるまでの強い精神力と行動力そして決断力には、想像もつかない葛藤があったのです。

華やかに見える世界で、しかも競輪界のアイドルといわれたほどの社会的地位を一瞬にして失ったところから、立ち上がった高橋美清さん。

そして相手を許し、さらに同様の立場にいるネットによる誹謗中傷の被害者を救うための活動をしています。

まとめ

この記事では、「逆転人生」『ネット中傷・絶望からの生還』に出演された天台宗僧侶・高橋美清(たかはしびせい)さんのアナウンサー時代についてや活動名・仕事内容そして出演していた番組、事件概要と現在や今後の活動を詳しくご紹介しました。

ネットが無ければ、現代社会は成り立たなくなっている現実だとは私も思います。

しかしネットはあくまでも便利な道具(ツール)であり、それを使って悪意のある行動や犯罪を行うことは許されないと考えています。

自分自身も含め、あらためて考えさせられる高橋美清さんの体験でした。

🌟 事件に関する詳細や、「逆転人生」で紹介された人物の記事についても、ぜひあわせてご覧ください。

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それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。

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