2018年に起きた「紀州のドン・ファン」と呼ばれていた野崎幸助さんの不審死で、当時の嫁(妻)の須藤早貴容疑者が逮捕されました。
多数の報道がある中で、不思議に感じたのは「元妻」という表現だというのは私だけではないのではないでしょうか?
通常であれば、そのまま「妻」か「未亡人」と呼ばれるはずが、この「紀州のドン・ファン」の容疑者はなぜか「元妻」と報道されている理由はなぜなのか調べてみました!
目次
報道
メディアの表現
「紀州のドン・ファン」の不審死で、容疑者が逮捕された時からテレビもネットもあらゆるメディアが多数の報道をしています。
容疑者の過去もさらされる中、どうしても不思議に思えたのが「元嫁」という表現と結婚前の旧姓になっている嫁の名前です。
夫であった「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助さんと同居していて更に死の第一発見者であり、葬儀では喪主もつとめていたということは婚姻関係が成立していたはずですね。
配偶者が死亡しても通常は婚姻関係は続いているはずですし、同様の事件があっても容疑者は「妻」と表現されています。
報道ではなぜこの「紀州のドン・ファン」の須藤早貴容疑者を、「元嫁」と表現しているのでしょうか?
3年間に起きたこと
「紀州のドン・ファン」が亡くなった時から、不審死として警察は妻をマークしていたというのは有名だったようです。
野崎幸助さんが亡くなったのは、2018年5月24日。
容疑者逮捕は、2021年4月28日。
有力な証拠もありながら3年間もの時間が流れる中、「紀州のドン・ファン」の嫁がしていたことは次のようなことのようです。
事件後、須藤容疑者は名前も顔も変え、引っ越しを繰り返していた。
野崎さんの知人は須藤容疑者が「韓国に行って整形していた。事件前に比べてアヒル口で目がぱっちりした」と指摘。
「野崎」姓を昨年2月までに「須藤」と旧姓に戻し、都内の住居も新宿区、足立区、品川区などを転々としていた。
スポニチアネックス
ここで2020年2月までに、容疑者は「須藤」の旧姓に戻していたとあります。
いったいどんなことをしたのでしょうか?
元妻の呼び方
法律手続きをした?
「紀州のドン・ファン」こと野崎幸助さんの亡くなった時点での妻だった須藤早貴容疑者は、現在「野崎」姓ではないということは法的な手続きをしているからと考えられます。
再婚をして別の姓になったのではなく、旧姓に戻しているということですね。
報道では「名前も顔も変えて」という興味を引きそうな表現を使っていますが、夫の死亡後に名前をどのように旧姓に戻しているのかは分かりません。
調べてみたところ、須藤早貴容疑者は次項の2つの手続きをしているようです。
2つの手続きとは?
①復氏届
「復氏届」というのは、配偶者に先立たれた場合に旧姓に戻すことができるものです。
本人の意志のみで自由に本籍地または住所地の市町村役場に、この「復氏届」を提出するだけで完了します。
家庭裁判所や親族などの第三者の許可は、必要ないのです。
ただし「復氏届」を出すと亡くなった配偶者の戸籍からも抜けることになるので、自分の戸籍をどうするか2つの選択があります。
- 結婚前の戸籍に戻る
- 新たな戸籍をつくる
今回の報道の中で、このようなニュースがありました。
母親が18年4月に住民票を取得した際、容疑者の名前がなかったため尋ねると「東京に移した」と答えていた。母親は「親も知らない結婚なんて…」と涙を浮かべた。
デイリー
結婚の事実を親にも伏せていたということであれば、結婚前の戸籍に戻したのではなく、新たに自分の戸籍をつくったと考えられます。
新たな戸籍をつくるには、「復氏届」と一緒に「分籍届」を提出します。
姻族関係終了届
実は「復氏届」の提出で配偶者の戸籍から抜けても、
配偶者の相続人の地位は奪われないため、遺産相続権利は残る
のです。
「復姓届」で姓を変更しても亡くなった配偶者と「離婚」した、とはなりません。
この「紀州のドン・ファン」の場合、容疑者は「妻」となっておらず「元妻」とされているので「離婚」していると思われます。
そこから須藤早貴容疑者は、もう一つの手続きである「姻族関係終了届」も出しているようです。
民法728条を確認してみましょう。
(離婚等による姻族関係の終了)
第728条
- 姻族関係は、離婚によって終了する。
- 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする。
Wikipedia
この民法728条の第2項で制定されているのが、一般には「死後離婚」と呼ばれているものです。
「姻族関係終了届」を提出することで、「紀州のドン・ファン」との「死後離婚」が成立しているために、須藤早貴容疑者は「元妻」と呼ばれているのだと推察されます。
まとめ
2018年に起きた「紀州のドン・ファン」と呼ばれていた野崎幸助さんの不審死で、当時の嫁(妻)が「元妻」と表現されている理由について、調査した結果です。
報道が飛びかう中で、「元妻」という表現を不思議に感じた方もいたのではと思います。
実際には今後の捜査の進展で明らかになるではと思いますが、このような手続きをしていたとすれば法的知識をどのように得ていたのかも不思議です。
個人的に、真実が明らかになることを願っています。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!