ハルデン刑務所(ノルウェー)から見る再犯率は?日本の統計との違いは?

話題

ノルウェーのハルデン刑務所は「世界知豪華な刑務所」として有名です。

イギリスの元刑務担当相のアン・ウディコム氏も視察した際に、驚きを隠せなかったというハルデン刑務所。

今回は実際にハルデン刑務所を出所した受刑者たちの感想や再犯率、日本の現状について調べました!

設立と設備や総工費

設立

ハルデン刑務所は、ノルウェー南部のエストフォル県Haldenに2010年に完成した刑務所になります。

工期は10年、つまり2000年に着工した大規模な刑務所になります。

敷地面積は75エーカー(約30万平方メートル・東京ドームの約6500倍)もの広大さです。

設計は有名な建築家Hans Henrik Hoilund氏です。

Hans Henrik Hoilundによる、ハルデン刑務所のコンセプトです。

この施設の最大の特長は、できる限り外の世界に似せているという点です。

威圧的で閉塞(へいそく)感のある雰囲気を避けるため、外装には刑務所によく使われるコンクリートではなく、
レンガと亜鉛めっき鋼、カラマツ材を使い、周囲の森林に溶け込むようにできています。

拘禁施設として不可欠である塀は、高さ6mのコンクリート壁が周囲を囲んでいますが、
植木により存在感を抑えてあり、塀の上部は角を丸くして、険しさを和らげています

Gigazine

刑務所の象徴の塀以外は、自然と調和するように設計されているようです。

設備や総工費

ハルデン刑務所の設備はテレビや雑誌などのメディアでも紹介されている通り、ホテル並みの豪華さです。

設備

ハルデン刑務所の主だった特長をあげてみます。

  1. 独房だが個室というイメージ。
    採光ができる大きな窓に鉄格子は無く、ベッド・デスク・椅子・シャワー付きのユニット洗面所・トイレ・薄型の壁掛けテレビ・小型冷蔵庫・収納スペース。

    ただし、個室のカギは中から開けることはできない。
  2. 図書室は広々としており、CDやDVDも充実
  3. 他の受刑者のの歓談できる交流スペース
  4. 体育館。ボルダリングもできる設備がある。
  5. すべての受刑者は1日1時間半、運動施設を利用する「権利」を持ちパーソナルトレーナーもいる

  6. 30エーカーの森を自由に散歩することが可能
  7. 受刑者は職業訓練をしながら、1日9ドルの給料を得る。
  8. 家族や恋人、パートナーとの面会も自由。コンドームも用意されている。
  9. 週に1回、自由にスーパーで買い物ができる。
  10. 自分で調理をすることも可能。
  11. 音楽ルームがあり、プロ機材がそろっている。バンド活動も可能。
  12. 歯科検診は無料
  13. コンクリート塀にノルウェーの有名アーティストの作品「Prisoner」が描かれており、アートの費用は約1億円

総工費

このハルデン刑務所の総工費は、日本円で約20億7000万円もするそうです。

収容人数は、252名です。

豪華な刑務所の理由と成果

理由

ハルデン刑務所に限らず、実はノルウェーの刑務所は他国に比べとても充実した設備だということです。

ここには長年の犯罪者の研究から、次のような理由があるそうです。

犯罪者のほとんどは貧困や愛情不足など、境遇や生活環境が劣悪であると言い、加えて刑務所暮らしが厳しいと社会復帰ができないとの考えのようです。

びっくりネタ

その上で受刑者に必要なものは、「懲罰よりも更生と社会復帰が目的」としているために、刑務所での生活を充実させていると言います。

このハルデン刑務所で懲役中の受刑者は、自分たちに対する国の待遇に感謝の気持ちを感じていると言われています。

再犯率でみる成果

ハルデン刑務所に代表される、ノルウェーの刑務所の受刑者への好待遇はどのような成果を生んでいるのでしょうか。

実際にノルウェーは、他国に比べ非常に再犯率が低いという結果になっているのです。

ノルウェーの再犯率は16%とヨーロッパでもっとも低く、視察を行ったイギリスはなんと50~60%です。

日本の再犯率は約41%(H23年版 犯罪白書)となっています。

これは本当に大きな差であると言えます。

ただハルデン刑務所が快適過ぎて戻ろうと再犯を犯した犯罪者もいたそうですが、再犯の場合には厳しい刑務所へと収監されるそうです。

まとめ

ノルウェーのハルデン刑務所は、世界の一部からは「犯罪者を世界一甘やかしている」とも批判されることもあります。

けれどもノルウェーは国連の発表する「世界一豊かな国・住みやすい国」の第1位です。

また世界で最も社会福祉・人権が進んでいる国のひとつとして、認知されています。

犯罪に手を染めなければならなかった環境から、国への感謝、更生への道という考え方はすばらしいと思います。

多くの国やメディアが取り上げ注目するハルデン刑務所やノルウェーは、今後も注目され続けていくことになるでしょう。

それでは、最後までご覧いただきありがとうございました!

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