声優事務所のプロ・フィットが、2021年11月4日に業務の閉鎖を発表しました。
目次
突然の発表
会社閉鎖
声優事務所のプロ・フィット代表取締役(社長)の谷村誠さんの発表によると、会社閉鎖の理由は以下になります。
プロ・フィットはプロダクションの根幹たる「責任あるマネジメント」を
近い将来、所属声優に行う事が出来なくなってしまう為、
プロダクション業務を2022年3 月末に「閉鎖」する事を本日発表させて頂きます。(中略)
ただ責任あるマネジメントが出来る状況の内に「所属声優」また「スタッフ」全員に
対してシッカリした引継をする為に、今回の「閉鎖」と言う決断をしたこと、
また全ての責任は代表である私にあり、今までプロ・フィットを支えてくれた
「所属声優」「スタッフ」には全く非が無い事をご理解頂ければ幸いです。ー プロ・フィットHP -
谷村誠さんの発表全文は、下記からご覧いただけます。
http://www.pro-fit.co.jp/211104.pdf
「責任あるマネジメント」や「閉鎖」という点を、カギカッコで強調している点に谷村誠さんの強い意志を感じさせます。
そして、仕事や所属声優・スタッフに対しても、とても誠実な人物であることも分かってきます。
岡本信彦がプロダクション設立
どんな人物
プロ・フィットの閉鎖に伴い、所属している声優の岡本信彦さんが新プロダクションを設立し、新人声優をすべて受け入れることになりました。
岡本信彦さんの画像はコチラです↓↓↓
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岡本信彦さんは、プロ・フィットの養成部であるプロ・フィット声優養成所出身の人気声優です。
養成所卒業後から、プロ・フィット所属声優として数々の人気アニメや吹替えに出演しています。
* 青の祓魔師:奥村燐
* 僕のヒーローアカデミア:爆豪勝己、
* とある魔術の禁書目録 シリーズ:一方通行
* ハイキュー!!:西谷夕
* 吹替『グッド・ドクター 名医の条件』:ショーン・マーフィー
* 吹替『ピオリアのプリンス』:テディ など
この他にも、アニソン歌手としても人気を博しています。
本人コメント
プロ・フィットの業務閉鎖と、自らがプロダクション設立をすることについて、岡本信彦さんも同時に発表を行いました。
この場所を守るため、また未来ある役者を守るため、
今後のことについて谷村社長に申し出をさせていただきました。その結果、「新人声優」や「プロ・フィット養成所で現在勉強している生徒」を受け入れる形で
再出発することを決意いたしました。ー 岡本信彦ブログ -
声優として実力と人気のある岡本信彦さんですが、バイト生活をしながらプロ・フィット声優養成所に通った経験を持つ下積みをしています。
経営やマネジメントは未経験ながら、岡本信彦さんもまた後進声優のために立ち上がった素晴らしい人物です。
倒産ではなく閉鎖
声優業界は順調ではないの?
現在、声優人気はうなぎのぼりの成長で、楽曲を発表しライブを開いたりテレビに出演するなど多彩な活躍をしています。
そんな中で人気声優が多数所属するプロ・フィットが、なぜ「閉鎖」に追い込まれたのでしょうか。
声優事務所のプロ・フィットは、2003年に谷村誠さんが立ち上げました。
単に声優のマネジメントを行うだけではなく、新人の育成にも力を入れたしっかりとした会社です。
* 声優・俳優のマネジメント
* キャスティング
* 各種コーディネイト
* 企画制作
* 声優・俳優の養成
これだけしっかりとした経営と実績を続けてきたにもかかわらず、プロ・フィットがプロダクション業務を「閉鎖」するのは何故でしょう。
会社概要もあわせてみてみると、プロ・フィットには弱点ともいえる部分が見受けられます。
* 声優養成所の経営
* 資本金は300万円
大手芸能事務所とは、資本金の面で大きく差があります。
例えばホリプロでは、資本金は1億円です。
経営期間や実績など単純に比較はできませんが、資本金で大きな差があります。
さらに有限会社である点も気になります。
閉鎖のメリット
声優事務所のプロ・フィットが、倒産ではなく、プロダクション業務を「閉鎖」としたのは何故なのでしょうか。
原因となったのは、資金面で厳しい状況になったことは明らかです。
特にコロナ禍が大きな要因の1つになっていると思われます。
コロナ禍によってライブやフェスなどのイベントが中止や延期となり、エンタメ業界全体が厳しい状況になっています。
大きな収益が見込めるイベントが中止になったことで、予定していた収入が大幅減になり補てんする資金調達が難しくなったとします。
そのまま赤字経営を続けると、結果として倒産となってしまうことになります。
プロ・フィットは、会社経営は健全であり将来性もあります。
「倒産」をしてしまうには、もったいない会社です。
なぜなら「倒産」や「廃業」をしてしまうと、今まで築いてきた会社が無くなってしまうからです。
会社の業務を「閉鎖」することで、いったんリセットして将来再び会社の経営を再開することができます。
債権があった場合には様々な対応が必要ですが、会社にかかる住民税や人件費・維持費などを支払う必要がなくなります。
優良な会社であれば、売却することも可能です。
プロ・フィットは、社長の谷村誠さんが経営する音響制作会社サウンド・ウィングは継続することも明らかにしています。
会社が消滅してしまう倒産や廃業ではなく、いったん「閉鎖」状態にすることで将来的に復活することが見込めるのです。
今までの実績を残しつつ、将来の展望が持つことができることは大きな強みとなります。
つまり「閉鎖」は、プロ・フィット社長の谷村誠さんの前向きな経営選択であるともいえるのです。
まとめ
この記事では、人気声優が多数所属しているプロ・フィットが倒産ではなく閉鎖した理由や社長の谷村誠さんの意向などについてまとめました。
将来的にプロ・フィットが、業務を再開することに希望が見いだせます。
ぜひ頑張っていただきたいと、応援しています。
それでは、最後までご覧いただきありがとうございました。